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Vol.0009■こぼれたミルクに泣いてもムダ 2004年10月29日
「大変〜!ミルクこぼしてる!チャッチャを捕まえて!ミルクだらけでベッドルームの方へ走ってったわ!」アイツが叫び、連れ合いが走る。そうでなくても見上げるような二本足。それが本気で走ってくると、相当怖い。一目散に逃げたので、アニキがどこにいるのかはわからない。とにかく隠れてなきゃ!なにかが気に入らないらしい。ただならぬ気配だけはわかった。どうすりゃいいんだ!勝手に連れてきたくせに!

すぐに連れ合いがアニキを片手でつかんで戻ってきた。いくらデカいアニキでもこうしてつかまれると顔と後ろ足しか見えない。前足はがっしりつかまれた手の上にちょこんと見えるくらいだ。二人とも「あ〜あ、こんなにミルクだらけにして〜」と言いながら、アイツは床を掃除し、連れ合いはあろうことかアニキを洗ってる!「さっぱりしたか?気持ちいいだろう。ミルクだと後が臭くなるからねー」とかなんとか言いながら!

心臓が止まりそうだった。よりによって水とは!おいらたちがどんなにそれが嫌いか、アイツらはちっともわかってない。あのヘンなおっぱいが臭い?お前たちが置いたんじゃないか!それに臭ければ、おいらたちは一生懸命舐めてきれいにするのさ。体中どこでも掃除できるし、顔だって手できれいに洗える。本当に余計なお世話だ!

さすがにアニキも苦しそうな声を上げていた。でも、あのデカい手に押さえられ、情け容赦なく出てくる水の下に置かれ、身動きがとれないみたいだ。心配だったけど、ここは静かにしていた方がいいと思った。おいらは音の出る大きな黒い箱の後ろにいた。埃っぽいし長い紐のようなものが何本もあって、いい場所じゃなかったけれど、気が付いたらここに飛び込んでいた。

「あ〜あ、ミルクもったいな〜い。いたずらっ子ね♪ ところでピッピは?」とアイツが言っている。「どこかに隠れてんじゃないか?」と連れ合いが応える。「ピッピー、どこ?」「出ておいで?ピッピー」と、言いながら二人は家の中をグルグル回り始めた。そして、とうとうアイツがこちらに近づきながら、「テレビの後ろ見た?」と言っている。(つづく)
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