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Vol.0033■舐めネコ、ガンになる 2005年1月21日
アイツの指先を吸い続けていたアニキは糖尿病になり、舐めるものをアイツの掌からビニール袋に替えたおいらは、ガンになった。口にしていた場所と病気が関係あるのか、おいらにも、アイツらにも、獣医のドリスにもわからない。ただ、おいらはガンを治すためにとんでもない薬を飲んで死にかけ、その後、生き返った。今は元気で薬も要らない。

アニキも一時危ないくらい痩せたけど、今は毎朝夕注射さえ打ってれば、前と変わらない。どっちがいいなんて、言えない。病気にならないに越したこたぁないけど、おいらたちはなんにも持ってない代わりに、なんでも受け入れる。それが死ぬことであっても。二本足みたいにあっちの先生、こっちの薬とジタバタしない。

「いよいよかな」とわかったら、一人になれる場所を探すくらいだ。それだけは教えられなくても知ってる。怖くもないし、そんなに残念でもない。いつどこで生まれるか、自分じゃわからない。だから、いつどこで死ぬかもわからない。でも二本足は生まれるのも死ぬのも自分で決められると思ってるらしい。本当にそうなのかどうかは知らないけど。

薬を飲んでからはからだの中が焼け付くようで、ただただ苦しかった。そこまで来てた"死ぬこと"を受け入れたつもりだった。でもアイツは、「ピッピ、死んではダメ。絶対ダメよ」と言って許さなかった。「ダメよ。ピッピ、ダメよ・・・ダメよ。ピッピ、ダメよ・・ダメよ。ピッピ、ダメよ・・・ダメよ。ピッピ、ダメよ・・・ダメよ。ピッピ、ダメよ・・・ダメよ・・・ダメよ・・・ダメよ・・・DA・ME・YO・・・DA・ME・YO・・・DA・ME・YO・・・」その声だけが頭の中で何度も何度も響いた。

(←こんなこともあったかな〜?あったような、なかったような。闘病中に連れ合いのひざにて)

そのうち訳がわからなくなった。苦しすぎてもう眠れなくなってたから、寝たわけじゃないんだろうけど、何も聞こえなくなった。そして長い長い夢を見て、気がついたらアイツの手がおいらをなでていた。からだのどこも動かなかったけど、アイツの手が感じられ、声も聞こえた。死ななかったらしい。朝だった。アイツは今でも時々おいらを抱いて、こっそり言う。「絶対、死んじゃダメよ」と・・・。(つづく)
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