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Vol.0035■アイツらの旅行 2005年1月29日
何がヤかって、アイツらが旅行に行くことくらいヤなものはない。おいらたちは誰〜もいない、窓の閉まった家で1日中ウロウロしてるか、ただただ寝てるか。1日1回、誰かが水やご飯をくれに来る。知ってる二本足の時もあるし、知らない二本足の時もある。だいたいネコがキライじゃなさそうな連中で、近寄ってくと首筋をなでてくれたりする。でも、用が終わるとすぐ帰っちまうから、やっぱり退屈だ。

アイツらはニュージーランドに来て初めて旅行に行った。おいらが大っ嫌いなクルマに乗って、大っ嫌いな旅行に行った。ご飯をくれに来てくれる二本足が見つからなかったのか、アニキの注射のせいか、おいらたちが香港から来た時、長い間居させられた検疫所に置いてった。クルマに乗せられただけでも気持ちワルいのに、たくさんの四つ足や犬の臭いまでかいで、本当に頭がクラクラ、目がショボショボした。

「ニャー(置いてくなよー)」と言ったけど、アイツにわかるわけはなし。「2人で仲良く、元気でね。ご飯もしっかり食べるのよ」と、まるでもう会わなくなるようなことを言って、さっさと行っちまった。今度はアニキと同じ部屋だったし、前みたいに寒くもなかったからいいようなものの、外に出られないのはきつかったな。食事は毎回アジ尽くし。削り節のトッピングまでかけてある豪華版だったけど、動かないで寝てばっかりいたせいか、あんまり食べられなかった。

別にアイツラと遊んだり、話したりするわけじゃないけど、やっぱり家がいい。今なら外にも出られるしね。そして、家には誰かいた方がいい。2匹だけだとケンカしても誰も止めに来ない。おいらたちも勝負がつく前に、なんとなく止めちまう。二本足をバタつかせて騒々しい子どもでさえ、いた方がいいと思う。誰かがいて、放っておいてくれるのが一番いい。わがままだって? 飼い猫だからね、こういう生活しか知らないのさ。 (つづく)

(←やっぱり家がいいニャン)

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