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Vol.0049■アイツの治療 2005年3月18日
「ニャー(やめろよ!)
「しょうがないでしょう?ケガしたんだから!」
「ニャー(ほっといてくれよ!)」
「ほら。傷口にこんなに泥が入ってるじゃない!ダメよ消毒しなくちゃ!」
「ニャー(ヘンなことすんなよー!)

なにを言ってもムダ。アイツはおいらをギュッと抱き、水で濡らした柔らかいもので肉球をゴシゴシやる。それが痛いのなんのって・・・おいらが舐めて舐めてやっと血が止まったのに、アイツがゴシゴシやるからまた血が出る。泥がついてても血が止まっててくれた方がずっといいんだよ。自分が舐めらんないから、アイツはいつでも水だ。新しい血のにおいがプーンとして、あ〜、また舐め直し・・・。ほんとうに、ほっといてくれよー。

しかも、水で拭くだけじゃ気がすまないらしく、アイツはピンクの水のようなものまでつけた。薬なんだろう。げっ、ヘンなにおいがするぜ。「こうやって泥を落としとかないとバイキンが入っちゃうのよ。ヘンな病気になったらどうすんの。なんでケンカなんかするのよ、もうお爺さんなのにぃ!」と、アイツは相変わらず文句を言う。自分の鼻が悪いのも知らないで。こんな傷からなにが入るって? なんで病気になるって? なんでそんなことがわかんだよう。自分の肉球でもないのに。

いつものようにドアのところで待ってると、アイツが来た。「ねぇ、ピッピ。その傷でまだお外行きたいの? わかったわ。行かせてあげる。だけど、歩くと痛いし、傷口に泥が入っちゃうのよ。それでもいいの? バイキンが入ってもっと悪い病気になったりしない?」 またバイキン・・・なんだよ、それ? 「いいの? もうママ心配しないわよ? いいのね?」 

おいらは片目をつぶった。 このうるさいのを止めるにはこれしかない。「あら、そうなの。大丈夫なの? じゃ、行ってらっしゃい♪」と、アイツはとうとうドアを開けた。おいらは足が痛いのでヒョコヒョコしながら外に出た。やっぱり外がいい。これぐらいの傷、なんでもないさ。バイキンもないし、病気もない。ケンカにはつきものの、ただのケガさ。(つづく)

(←アイツが大事にしてる葉っぱ。かじってみたけどまずかった。でもアイツには文句を言われた。踏んだり蹴ったり。で、今日もふて寝のおいら)

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