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Vol.0054■ストリートファイター パートV 2005年4月5日
おいら達にまったく気づいてなかったオブリは、突然2匹いっぺんに現れたので焦ったらしい。いきなり「ギャォォォォォォォォ」と雄叫びをあげ、頭を低くしてしっぽをツンと突き上げた。戦闘態勢だ。おいら達も身を低くして喉を鳴らした。お互いの間には植え込みの木があったけど、よく見える。しかも、オブリが出入り口にしてる隙間は目の前だ。

おいら達が向こうへ行くか、ヤツがこっちへ来るか・・・と、思った時、オブリが穴から飛び出して来た。その時、「ピッピぃぃ」と言いながら、連れ合いが出てきた。オブリの声を聞きつけたんだろう。すぐにおいらを見つけて「こら、ケンカなんかしちゃダメだニャン」とかなんとか言いながら、ひょいと抱き上げた。玄関から出てきた連れ合いからは、家の角を曲がったところにいたアニキとオブリは見えなかった。

連れ合いはおいらを抱いたまま家に入った。「ピッピだけポツンと座ってたよ。誰だったんだろうね、あの声は・・・チャッチャはどこだ? 家の中?」と、アイツに声をかけた。その時、キッチンにいたアイツが「キャー、チャッチャがぁ!」と大声をあげた。「どうした?」と、連れ合いはおいらを抱いたまま走った。同時に、「チャッチャーーーー!」と叫びながら、アイツはキッチンのドアから飛び出していった。

最近のアニキはやたらに強い。うかうかしてるとおいらだって「ハァーー」と吹っかけられたり、頭にポカンとパンチを喰らったりする。朝からオブリを見つけて、アニキは相当頭にきてるはずだ。すぐにアイツがアニキを抱いて戻ってきた。腕からはみ出たしっぽがいつもの2倍くらいに膨らんでる。「今、チャッチャがオブリに乗ってたの!ホントに乗っかってたのよ。馬乗りっていうよりモモンガみたいに黒いオブリに茶色いチャッチャが張り付いてたの!2匹で庭に走り出てきて、追いついたチャッチャがパッと飛び乗ったのよ!すごーい、チャッチャ♪」と言いながら、アイツはアニキをギューと抱いた。

(→こんな顔して寝ててもケンカになるとめっぽう強いアニキ)

アニキはオブリが気になるみたいで盛んに降りたそうにしてる。でも、アイツがそんなことに気づくわけない。ギュッと抱いたまま、話続けてる。「でも、オブリが裏の家のクルマの下に入っちゃったから、振り落とされちゃったみたい。オブリも考えたわよね。行ったらチャッチャだけクルマのとこに座ってたわ。でも、すごーい、チャッチャ♪ オブリを追い出したじゃない!」 アイツは何度もアニキを誉めた。同じケンカでも、ブリブリ怒る時もあればこんなにうれしそうな時もあって、なんだかおいらにゃよくわからない。一つだけわかったのは、アニキの爪がオブリの背中にガッシリ入ったってこと。(つづく)


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