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Vol.0070■おいら絶不調パートX 2005年5月31日
「おいらも大人しくすることにした」と、前回は言ったけど、ホントはそんなことはなかった。さすがに昼は体力温存だったけど、夜はそうはいかない。これでも夜行性なんだ。ところが、血と黄色い汁でプンプンにおう耳で近所を歩くだけで、「おいらケガしてるぜー、弱ってるぜー」と言いふらしてるようなもの。二本足ですら「くさい、くさい」って笑うんだから相当なにおいだ。みんなが寄ってくる。もちろん、おいらをやっつけるために。

これは四つ足の掟なんだ。「自分より弱いやつは倒せ」っていう。この辺の四つ足はみんな飼いネコだから戦わなくても自分の家がある。だから、とことんやりあわなくてもいいんだけど、中にはオブリみたいにおいら達の庭で我が物顔に昼寝してるようなヤツもいるから、飼いネコにだって戦いはある。相手が弱ってればチャンスってわけさ。

でも、おいらは外に出たい。ケンカを売られたら買うっきゃない。アイツは「ケガしてるのに・・」とブツブツ言いながらも、「案外元気なのね」とホッとしてもいるらしく、ドアを開けてくれた。ほんとうはそんなに元気じゃない。耳、口、鼻、頭、なんとなく目までジーンと重い痛みでつながってる。寝る時も右耳を下にしないと、痛くて眠れないんだ。 (外に出るのはこういう理由も。ただ今、トイレ中。おっと失礼。耳が痛くてもこればっかりは・・→)

一撃をくらって3日めの夜だったと思う。耳右が間違ってもなにかにさわらないように気をつけて歩いてた。痩せっぽちの子ネコのジャックが道の向こうから、弾むようにこっちに来たかと思うと、いきなり「ハ〜」だと! おいおい、それはないだろ。おいらの体重の半分くらいしかないのに。身をかがめて軽く身構えると、ジャックはあっさり引っ込んだ。「あんなヤツにまで・・・」と思いながら、また歩き始めた。
その時、ガサッと後から音がして振り向く間もなく、右耳に熱い痛みが走った。「あっ!」と思った瞬間、サーッとその辺が明るくなり、クルマが角を曲がってこっちに向かってくる。おいらに飛び乗ったヤツがクルマの丸いライトの中を一直線に逃げて行く。オブリだった。おいらは道の脇でクルマをやり過ごしながら、耳から血がドクドク流れてくるのを感じてた。「急所を狙え」、これも四つ足の掟。(つづく)

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