Vol.0071■シロ猫でけっこう |
2005年6月3日 |
アニキは人気がある。二本足が家に来ると、「わー、かわいい♪」と言ってみんなアニキの方に寄って行く。「あれ?もう1匹いるんだよね?」とそのへんをキョロキョロすると、おいらがいるってわけ。おいらはガンになるまでデカくて、デブだった。みんなおいらを見て「大っきーい」とか「デカっ」と言う。二本足はデブがキライらしいから、おいらは人気がない・・・。ずっとそう思ってた。
でも、ガンになってアニキより痩せても、みんなが「かわいい♪」と走っていくのはアニキの方だった。おいらは「ピッピも大変だったね。よくがんばったね」と言って頭をなでられる。太ってても痩せてても、おいらを「かわいい」と言う二本足は珍しい。アイツぐらいか? そこでおいらは気がついた。「そうか、アニキが人気なのはトラ猫だからか!」
おいらは白いから模様がない。足としっぽ、顔と頭に茶色いとこがあるだけだ。「見ろよ、この十円ハゲ。いかにも雑種って感じだよな。それに比べてチャッチャはなんかこう、キャットフードの箱に出てるネコそっくりで見栄えがするよな〜」と、連れ合いが言うと、アイツは「どっちも雑種よ♪ どっちもカワイイの♪ ね〜?」と、おいらたちをギューっと抱いて顔を埋めてくる。
(←これが「十円ハゲ」なんだと、フ〜ン)
正直言って、おいらにはどうでもいい。「かわいい」も「雑種」も「デブ」もみんな二本足が決めたこと。おいらには関係ない。四つ足は他の四つ足と比べたりしないから、自分がどう思われてるかなんて考えない。だから嫉妬もない。みんながアニキに走って行こうが、おいらのところに集まろうが、四つ足にまったく興味がなかろうが、どうでもいいんだ。
いいぜ、比べないと。比べないから争わない。争わないから負けない。負けないから悩まない。悩まないからがんばらない。がんばらないから好きなことしかしない。好きなことって昼寝と散歩だから、平和なもんさ。シロ猫でけっこう、上等じゃないか!(つづく)
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