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Vol.00082■冬の思い出−検疫所での再会 2005年7月12日
検疫所で一晩明かしたおいらたち。寒いし、チワワがうるさくてよく眠れなかった。アイツらがおいらたちの好きな缶詰や削り節をどっさり持って会いに来た。香港を出る前2週間も獣医のドリスのところに預けられてたから、久しぶりに会った。

「ニャー(寒い)、ニャー(寒い)、ニャー(寒い)」
と言ってみたけど、

「ママも会いたかったわよ〜♪」
ときた。ダメだこりゃ。          (家に連れてってくれニャン→)

「すぐに連れてってくれよ。置いてくんだったらなんとかしてくれ、この寒さ!」と訴えたけど、アイツが気づいてる気配はまるでない。盛んに「食べろ、食べろ」と言う。検疫所が用意したものをあんまり食べてないのを心配してるんだ。

「食べ物より寒さなんだよー」と思ったけど、通じなかった。確かに腹も減ってたからアイツらが持ってきたものを食べた。ずっとまともに食べてなかったせいか、そんなには食べられなかったけど、アイツは喜んだ。飼い主っていうのは、ペットがたくさん食べると喜ぶもんなんだ。ペットにしてみりゃ、大食いも芸のうち。

アイツはおいらたちを頭の先からシッポの先までブラッシングして、さんざん抱いたり、なでたり、写真を撮ったりして、「また来るわね」と言って帰ってった。おいおい、連れてかないのか? まいったな。ここは寒いよ〜。仕方ないので電気毛布の敷いてあるベッドに戻った。もう食べたいとも思わない。

「アイツらは次、いつ来るんだ?」
「いつになったら、ここから出られるんだ?」
「なんて寒いんだ、ニュージーランドは!」
寒さを忘れるためには眠るしかない。アニキもそうしてるんだろう、隣からは物音一つ聞こえてこなかった。
(つづく)

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