| Vol.00094■冬のお休み、春の始まり |
2005年8月23日 |
オークランドは、だいぶあったかくなってきた。あったかくなると、おいらたちが外にいる時間が長くなる。外の時間が長くなると、ウロウロする時間も長くなる。日当たりのいいサンデッキから庭に下り、家をグルッと一回りして、外にも出る。生垣の間から、さっと隣の家へ出ちゃう時もある。
外をウロウロする時間が長くなると、他の四つ足と出くわすことも多くなる。ヤツらも寒い間は家でぬくぬくしてたんだろう。しばらく見なかった顔が道の反対側を歩いてたりする。あっちも同じこと思ってんだろう。オブリも最近よく出てくるようになった。わざわざおいらん家の庭を突っ切ってくこともある。冬はお休みだったんだ、ケンカもなにもかも。
 「じゃ、ストリート・ファイター復活？」って思われるだろうな。でも、そうでもないんだ。まだ、なんとな〜くエンジンがかかんない。
「あっ、オブリ！」
と思っても、
「あっ、行っちゃった」
でおしまい。 （写真なんか撮ってないで背中掻いてくんないかニャン？→）
他のヤツもそうみたいで、オブリもさっさと通りすぎてくばっかりで、デーンとうちの庭で昼寝をしてたりはしないな〜。 だから、あたりは静かなもんさ。他の四つ足のケンカも聞かないな。まだまだ、みんなぬくぬくして鈍ったまんまの冬モードなんだろう。「おいらとアニキの写真館」でも言ったけど、アニキでさえオブリがうちの塀の上に登ってくのを黙って見てたくらいだから。
でも、この間は思わぬ大ゲンカ。ちょうどオブリの家とおいらんちの間の庭で、久しぶりにギャオギャオギャオギャオギャオギャオギャオギャオギャオギャオ！ 家の中にいたアイツが、
「ピッピー！やめなさぁぁぁぁい！」
と金切り声を上げてる。
「見てもないのに、どうしておいらだってわかるんだよぉ？」
と思いながら、おいらは相手の首に噛みついた。（つづく）
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