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Vol.00097■冬の思い出−毛づくろい 2005年9月2日
目が覚めて驚いた。久しぶりにアニキから交信があった。特になにかを言ってきたわけじゃないんだけど、アニキの頭の中のテレビがついてる! はっきり感じた。起きてるし、動いてもいるみたいだ。何日ぶりだろう。おいらが寝てる間に、なにか喰ってたかもしれない。電気毛布を2枚にしてもらって、ずっと元気になったんだろう。これで元通りだ。

背の高い獣医が来てアニキのおしっこを調べてたけど、何かを書き込むと前のようにすぐに行っちまった。その後、検疫所の二本足が来てアニキに注射を打ち、そいつもすぐに行っちまった。糖尿病のケットウチとかいうのがよくなってきたんだろう。もう誰もアニキのケージに長くいるヤツはいなくなった。

次の日もアイツらが来た。アニキが元気になってるのを見て、大喜びの大騒ぎ。「よかった、よかった」と何十回も言ってた。またイワシを持ってきた。
「食べてるか?」
「うん、けっこう食べてる。缶詰も少し食べたわ。」

アイツらはアニキの方にかかりきりだった。そりゃそうだろう。おとといまで死ぬか生きるかだったんだから。
「血糖値も下がってきてるわね。」
「危ないとこだったよな。」 
なにもなくてよかった。( お騒がせしましたニャン。イワシで復活ニャン→)

アイツがイワシを持ってきたので、おいらも食べた。でも、きのうほどうまいとは思わなかった。新しい缶詰もあって、まあまあの味だったけど、そんなに喰えなかった。狭いケージのそのまた狭いベッドの上でジッとしてるだけだから、そんなに腹も空かない。食べることじたい、どうでもよくなってきてた。おいらはイワシを半分残した。

食べ終わると、アイツはブラシを出してブラッシングし出した。ケージの中にはからだをこすりつけられるところがないから、気持ちがいい。そういえば、あんまり毛づくろいしてなかった。四つ足が毛づくろいしなくなるのは、いいことじゃない。元気がない印なんだ。おいらがガンから生き返って毛づくろいを思い出したとき、あいつは涙を浮かべて喜んだ。今だって忘れちゃないけど、なんとなくする気になれない。

「ねぇ、ピッピも痩せてきてない?」 
アイツが連れ合いに聞いてる。(つづく)


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