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Vol.0104■どこからどこへ 2005年9月30日
「すごーい、前世で犬だった人がいる。やっぱり、そうよね。人間が人間にしか転生しないなんて、なんかヘンだな〜と思ってたんだ」
アイツがパソコンの前でブツブツ言ってる。なんとなく、こっちに振られるかなぁ〜と思いながら近くで寝そべってると、
「ねぇ、ピッピはママのところに来る前、どこにいたの?」
と聞いてきた。ほーらね、これくらいは読めるんだ。

「ニャー(知らない)」
「そっかぁ、知らないのかー。そうよね、ママも知〜らないっと。前世でも一緒だったらいいねぇ。」
と言いながら、おいらをギューっと抱き上げ、背中をゴリゴリしてくる。とても通じたとは思えないけど、知らないのが普通らしい。

おいらは自分がどこから来たかは知らない。ママがいる風景より前のことは記憶にない。でも、これからどこに行くのかはなんとなくわかる。ちょっとだけ、見たんだ。よくわかんないけど、そんなに悪そうなところじゃなかった。ただ、アニキやアイツとは一緒に行かないんだろうな。行った先のどこかで、また一緒になるなら話は別だけど。

その時おいらは1匹だった。鳥の声と水の流れる音しかしない、静かでたくさんの花が咲いてる場所を、1匹で歩いてた。水の音は川からくる。おいらは川の脇をとことこ行く。まわりにはいろんなにおいのする花が咲いてる。足の下の草も柔らかい。ちょうちょもヒラヒラ飛んでくる。でも、四つ足や二本足の姿はない。おいらだけだ。      (いつかは一匹でどこかに行くのさ→)

おいらには行くあてなんかなかった。ただ、どこに着くのか知ってる気がしてた。それを思い出そうとしながら、他にもなにかを思い出そうとしてた。でも、なにを思い出そうとしてるのかが思い出せない。ヘンだよな。おいらは歩き続けた。(つづく)

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