Vol.0112■旅するネコ |
2005年10月29日 |
「ねぇ、このネコってピッピに似てない?」
「ホントだ!」 (おいらがナニか?→)
おいら、アイツ、連れ合いは、獣医のぺトラのとこに来てた。おいらはシンサツダイとか言う、高い台に載せられて動けずにいた。さすがにコワいよ、あの高さは。アイツと連れ合いは壁に張ってあるデカい紙を見てた。そこにはたくさんのネコの写真があった。
「ね?そっくりでしょ?ピッピってジュンケツだったんだ〜♪」
「売れるかな?」
「ダメじゃない?愛想ワルいし、お爺さんだから。かわいいんだけどね〜♪」
と言いながら、2人でケラケラ笑ってる。 ピッピ、ピッピって、おいらのことを話してるのはわかる。それでケラケラって、なんなんだよ。「ジュンケツ」とか「売れる」とか。
その時、ぺトラが薬を持って戻ってきた。
「ねぇ、ぺトラ。ピッピってこのネコにそっくりじゃない?」
とアイツが壁の紙を指差して聞くと、
「あぁ、ターキッシュ・バンね。そうね、色はそっくりね。シロ猫でシッポと頭のところが茶色だから。でも、そのネコはロングヘアなの。ピッピはショートヘアだから違うわよ。」
ターキッシュ???ロングヘア???

家に帰ると、アイツはさっそくパソコンの前でカタカタやり出した。
「きゃ〜。見て見て!これなんかピッピそっくり!!10円ハゲまで同じじゃない!セミロングヘアっていうのもいるから、そんなにフサフサでもないよね〜。こんなのショートヘアに見えるんだけどなぁ・・・」
と、ブツブツ言いながら、なにやらカタコトやってる。
けっきょく、おいらがなにになったって?(つづく)
(おいらがターキッシュなら、一緒に生まれたアニキはなんなんだよ?→)
|
|