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Vol.0115■旅するネコW 2005年11月8日
「すご〜い、ターキッシュ・バンって泳げるネコなんだって! じゃ、ピッピも泳げるのかしら?」
と、アイツが言うと、
「水に入れてみたらどうだ。必死で泳ぐかもしれないぜ、ネコかきで。泳げたらターキッシュ、泳げなかったらただの雑種・・・ハハハ」
と、連れ合いが気軽に言う。

また、ターキッシュだ。最近、パソコンの前に座るたびに、アイツは「ターキッシュ」「ターキッシュ」と言って、なんとかおいらをそいつらの仲間に入れようと、あちこち調べてるしい。おいらに似たヤツの写真を見つけちゃあ、大喜びだ。

今度は泳げだと? 冗談じゃない。生まれたばかりのおいらとアニキをママからひっぺがしてかっさらって来たくせに、よく言うよな。

でも、待てよ。もしもママがターキッシュだったら? ママもおいらと同じで頭とシッポが茶色くて、背中に10円ハゲがある。(なんて言っていいかわかんないから、おいらまでこう呼んでんだぜ)ママはどこから来たんだろう。ママのママは? ママのママのママは? ママのママのママの・・・・??
                     (おいらだけがママにそっくり→)

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シロ猫が湖をグングン泳いでく。
「あっ、沈んだ。」
と思ったら、すぐに白と茶色の頭が出てきた。毛が濡れてホントに小さい頭。
それでも広い湖をどんどん進んでく・・・。

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あ〜、ダメだ、ダメだ。おいらまでヘンな交信してる。これってどっかのターキッシュ・バンが送ってきてるんだろうか? まさかね。そんな知り合いはいない。それともおいらまで、二本足みたいに勝手に頭で考え始めたんだろうか? まさか〜。

でも、妙に見覚えのある眺め。広い湖も遠くの山も。おいらが行ったことも見たこともない場所なのに、なんだか覚えてる感じ。これはママの記憶んだろうか? それともママのママのず〜っと前の誰かの記憶なんだろうか? まさか〜。

アイツの頭のテレビの見すぎで、こっちまでヘンになってきちまった。おいらはただのシロ猫さ。トラ猫のアニキと一緒に、暑いシンガポールで生まれた、泳ごうなんてこれっぽっちも思ったこともない、ロマンもなにもない、

ただの、お・い・ら、さ!(つづく)

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