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Vol.0016■思わぬ長期戦 2004年11月23日
アイツらが目を剥くほど派手なケンカをしたおいらとアニキ。でも、その晩も翌日の昼寝も、いつも通り2匹でくっついてたので一件落着かと思ってた。ところが、話はこれで終わらなかった。おいらがアニキに頭の中で話しかけても、アニキからの返事はなし。まったく交信できなかった。おいらにはアニキがなにを考えてるのか、まったくわからなかった。「じゃ、耳でも舐めてやろう」と近づくと、「フ―」っと短く言って追い返された。

「まだ怒ってんだろうか?」 おいらは庭の散歩にひとりで行くようになった。別においらの額くらいの庭(って、二本足は言うんだろう?)、ひとりで歩いててもどうってこたぁない。天気もいいし、雨も降んないし、夜ブラブラするにはちょうどいい季節だ。おいらたちは外にいる時間がどんどん長くなってるけど、ずーっと行って帰ってこないんじゃなく、何回も戻ってきてはご飯を一口二口食べたり、水を飲んだり、部屋をグルッと一周したり、軽く爪をといだりして、また出ていく。 だからアニキとおいらは、入れ違いに出たり入ったりしていた。

アニキは相変わらず交信してくんない。まっ、いいけど。その日もひとりでランドリールームの方を歩いていると、すぐ右横の生垣の向こうからガサッという音がした。妙なにおいが強くなってたので、おいらも警戒してたけど、すぐ近くで突然音がしたのにはさすがに驚いた。多分、この間会った、やたら大げさな「光る目」だろう。おいらは気持ち家の方に寄りながら、ゆっくりと歩いた。もしなにかあっても、ランドリールームの入り口への階段は目の前だ。

おいらが立ち止まらなかったせいか、生垣の向こうから「フ――」と怒りの声が上がった。向こう側の隣の家へは行ったことがなかったので、どうなってるのかわかんない。多分、家の明かりが漏れてくる分、相手にはおいらのことがよーく見えるんだろう。おいらには垣根しか見えなかった。においだけが頼りだった。いちおう用心して立ち止まった。

その時、ザザッという音がすぐ後からして、さすがにおいらは飛び上がらんばかりに驚いた。右手の生垣の向こうにばかり気をとられていて、後なんかぜんぜん気にしてなかった。「いつの間に回ったんだ?」と、そーっと振り返ると、すぐ後にアニキがピタリとつけていた。(つづく)
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