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Vol.0036■旅行のみやげ 2005年2月1日
アイツらが旅行に行き、おいらたちが検疫所に置いてかれたことは、前回話した通り。ところが、みんなで家に帰ると大変なことになってた。誰もいない間、閉めきった暑い家の中でノミが好き勝手に増えてたんだ。家に入ったとたん、あいつらはおいらとアニキにピョンピョン飛び乗ってきた。まるで二本足がクルマにでも乗るみたいに。おいらたちは動き回るので、どこでも一緒にくっついてくる。あっという間に家中ノミだらけ。

聞いてるだけでかゆいだろう? 本当に噛まれてるおいらたちは、たまったもんじゃないぜ。さすがにいつもは鈍いアイツらもすぐに気付いて、これまたいつも通り大騒ぎ。おいらたちだけじゃ足りないノミは、毛のないアイツらの二本足にも乗っかろうとしたらしい。みんな「かゆい、かゆい」と言い出した。

おいらもアニキもノミを取るため、後ろ足で掻き、前足で顔を洗い、一生懸命毛を舐めた。そのうちお腹に溜まった毛玉で気持ち悪くなり、2匹とも吐いた。そんなことを何回も繰り返した。

(←おっと失礼!でもかゆいよー)

一方のアイツらは、妙なものを買い込んできた。家中にスプレーをしたり、おいらたちの身体にパウダーをたっぷり塗り、ブラッシングしたり。粉で目はしょぼしょぼ、ヘンな臭いも辛かった。「でもこれでノミが減るなら」とちょっと期待したけど、あんまり変わらなかった。いくらブラッシングしてもらっても粉が残って気持ち悪い。

あいつらは家の中にも粉を撒き、しばらくしてから掃除機で吸ったりしていた。飛んできたハエがカーペットに停まるとすぐにヨロヨロして死んでしまうので、強い薬らしい。おいらたちも臭いと粉っぽさが嫌だった。でも肝心のノミがこれでいなくなったかどうかはよくわからない。ノミ取り首輪を巻かれたこともあった。臭いがきつくておいらが吐いたのと、なぜかお腹の調子が悪くなったのとでアイツが怖がってすぐに外した。

首輪を外したことを残念がった連れ合いは、「じゃ、ネコをシャンプーするか?」と言い出し、おいらは飛び上がらんばかり。だけど、アイツが反対してその話はなくなった。そんなにノミに噛まれたくないなら、自分でノミ取り首輪を巻いてりゃいいのに、なんでおいらたちにばっかりするんだよぉ? おいらたちが悪いんじゃないぜ。勝手に乗ってきて、噛んで、子どもまで残してくノミが悪いんだぜ。ついでに言えば、家を閉めきって旅行に行ったのはお前らなんだからね。しかし、困ったぁ。(つづく)
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