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Vol.0040■アニキ、万事休すV 2005年2月15日
おいらはそのへんをうろうろしてた。アニキがいないかどうか探してたんだ。時々声を出して呼んでみた。少し高くて長く引っ張る、いつもの声で。連れ合いやアイツは1日中家を出たり入ったりしてる。ひょっとしたらもうアニキが戻ってきてるのかもと思った。だけどムダだった。アニキは家にいなかった。

昼寝をしてても、庭をパトロールしてても、ご飯を食べてても、廊下にあるおいら専用の椅子「王様の椅子」(ってアイツらは呼んでる)に寝そべってても、ブラッシングしてもらってても、抱っこされてても、なんか違う。いつもと違う。ちょっと寂しいような、ちょっとホッとしてるような、ちょっと退屈なような、ちょっと、ちょっとなにかが違う。でも、ネコだから深く考えない。感じるだけだ。

アイツらはアニキの好きなものをどっさり持って会いに行ったけど、会えなかったらしい。でも、良くなってるんだと。することもないし、いつもと違ってヘンな気分だし、少し涼しくなってきたし、おいらは眠ることにした。外はちょうど雨。出かけなくていいようになってる。アニキとの交信は相変わらずできたりできなかったりで、あっちも眠ってるようだ。けっきょく、2日目の夜もアニキは帰ってこなかった。

アイツらは1匹ぼっちのおいらを「かわいそう」とでも思ったのか、アイツらのベッドで寝てても追い出さなかった。それをいいことに、おいらは小さくて静かで暖かい部屋で、こんこんと眠り続けた。まるでその日をなかったことにするように。目が覚めたらアニキがいつものよう隣で寝てるように。ただただ眠った。(つづく)

(←こんな日がずっと前に思えるぜ)


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