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Vol.0075■猫アレルギー 2005年6月17日
香港にいた頃、よくアイツらに会いに来てた二本足は、「猫はキライだけど、こいつだけはカワイイわね」と言って、鼻をジンジンかみながら、組んだ足の先でアニキを指してた。前に「アニキは人気がある」って言ったけど、ホントにそうだ。アニキはおいらと違って愛想がいいから、知らない二本足が来てもちゃんとそばに寄っていく。「猫はキライ」と言ってる二本足の足の先にまで、頭をこすりつける。

すると、「ダ〜メダメ、チャッチャ!」とアイツが飛んできて、アニキを抱き上げ隣の部屋に連れてってドアを閉めちまう。いつもこうだった。かわいそうに、アニキはドアの向こうでニャーニャー鳴いてる。おいらは愛想がわるいから、知らない二本足になんか近づかない。ガンになるまではアイツにさえ、用がない限りそうそう近づかなかったもんだ。だから閉じ込められることもなかった。
(愛想がいいアニキ。アイツらが女座りと呼んでる座り方。なんだソレ?→)

猫嫌いの二本足はしゃべったり、喰ったりしてしばらくいるんだけど、鼻をかんだり、くしゃみをしたり、いつもうるさい。顔や手がかゆいのか、ポリポリ掻いたりせわしない。「ごめんね、だいじょうぶ?」と、アイツは謝ったり心配したり。「うん、だいじょうぶ」と言いながらも、赤くなった目から涙が出てる。

それがおいらたち四つ足のせいだって知ったのは、ずい分経ってからだった。二本足はこれを「猫アレルギー」って呼んでるらしいな。おいらたちはなにもしてないのに、なんだか迷惑な名前。でもアレルギーになるのも、アレルギーと呼ぶのも二本足。おいらの知ったことじゃない。

アイツは子どもの友だちとか誰かを家に呼ぶとき、いつも電話で聞いてる。「猫アレルギーはありませんよね?」 それで来なかった二本足がどれぐらいいるのか、おいらは知らないけど、いちいち聞いてるってことはけっこういるのか? おいらたちには「二本足アレルギー」なんてないから、二本足やるのもけっこう大変だよな。
(つづく)


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